がんの在宅療養 地域におけるがん患者の緩和ケアと療養支援情報 普及と活用プロジェクト
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がん医療フォーラム 岩手 2016/気仙がんを学ぶ市民講座
【総括・まとめ】
伊藤 達朗さん(岩手県立大船渡病院 院長)

伊藤 達朗さん
伊藤 達朗さん
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私も外科医として甲状腺、肺、消化器のがん、乳がんの治療に当たっています。あるときに在宅診療を始めて、もし院長をやっていなければ在宅診療医になっていただろうと思います。

基調講演をされた3人の方、在宅療養を支える専門職5人の方からお話しいただきました。それをうかがいながら、何点が思うところがありました。一つは、患者さんのいる場所がきちんと家にある場合は、在宅ほど療養環境としてよいところはない、病院はそういう点ではよくないのではないかということです。私はそう思っています。

渡邊先生から情報が氾濫(はんらん)しているというご指摘がありました。さまざまなインターネット情報や本があります。例えば検診を受けて、精密検査を受けるようにいわれた方は、かなり本を読む、あるいはインターネットであれこれ調べるそうです。それで疲れてしまって、結局どうしたらいいかわからないというような方が多いのです。そういうときは、まず気仙がん相談支援センターに来ていただければと思います。たとえ病気ではなくてもかまいません。そこから始まると考えていただきたいと思います。

告知についてのお話もありました。私も告知というのはプロセスだと思っています。長く続けていかなければいけない。もう一つ、告知には初めてみつかるがんについてだけでなく、再発についての告知もあります。これも大変なことです。しかしドクターとの信頼関係をずっとつくっていれば、大変なことではありますが、再発という現実も受け入れやすくなると思います。また、告知は「宣告」になってはいけないと思います。

終末期のがん患者さんの旅行について岩渕先生から話されましたが、私も富士山を見たいという終末期の患者さんに、見に行っていただきました。在宅療養のさまざまな面でも同じですが、できない、だめだ、これはもうやってはいけないと考えるのではなく、やるためにはどうしたらいいのかと考えたほうがいいと思います。富士山を見に行くためにはどうしたらいいか、ケアに関わる専門職の方たちと相談して考えました。私は患者さんのお守りとして、本人の希望もありましたので、どこで倒れてもいいようにと紹介状を書きました。何回かその紹介状を使われたようですが、結局ご自宅で亡くなられました。そういうことも可能だとわかっておいていただきたいと思います。

在宅療養を支える専門職5人の方から、それぞれの分野での支援策や、どのようにやっておられるのかお話がありました。病院での完結型の医療というのは無理だということが、みなさんおわかりになったと思います。病院では完結できないということです。これは地域で何とかしなくてはいけないと、みなさんに考えていただければと思います。

ところが、地域で患者さんやご家族を支える地域包括ケアという仕組みは市町村単位になっていて、例えば大船渡市と陸前高田市、住田町は、それぞれにつくっていかなくてはいけない。一方で地域医療構想というのは2次医療圏単位で策定することが求められる制度で、医療の部分だけになってしまっています。患者さんは制度や仕組みに合わせているわけではなくて、地域に広がって療養生活をされています。今後の医療・介護の連携に向けてということでも、患者さんを支える我々、さまざまな職種の人たちが一堂に会した勉強会やワークショップ、そういうものをつくるべきではないかと、私は今日感じました。

コーディネーター役をやってくださった渡邊先生、この会をつくるために尽力し、全体の司会をされた村上雅彦先生、本当にありがとうございました。またお話しくださった講師のみなさん、長い時間にわたる講座にご参加くださったみなさん、本日はありがとうございました。

掲載日:2017年2月27日
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