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気仙がんの在宅療養研修会 2016 岩手
【グループワーク発表】
<テーマ4>お別れの時期 看取りのときとグリーフケア

まとめ
患者さんの尊厳を大切に、その人らしい最期の時期を過ごせることを目指してサポートしていく
家族のつらさに寄り添い、支えるグリーフケアの取り組み。何度か話す機会を持つことも、グリーフケアにつながる
在宅での療養を支えるスタッフ向けのグリーフケアの視点が必要
グループワークの様子1の写真
グループワークの様子1

患者さんの尊厳を大事にする関わり方

いろいろな立場からの意見が出たのですが、患者さんがその人らしく尊厳をもって最期のときを迎えることができることが大事だ、というのは、どの立場の人にも共通した考えでした。

在宅療養に至るまでに、病院側にはある程度準備をして送り出してほしいと思いますが、それが十分にできなくて最初はサポートがうまくいかない場合もあると思います。ケアマネジャー、薬剤師をはじめ在宅療養に携わるスタッフは、それぞれの立場から在宅になった時点での問題点を見据えて関わっていくことで、患者さんが「その人らしく」最期を迎えられるのを目指してサポートしていくことが大事だということが、共通認識になったと思います。

ご家族へのグリーフケア

患者さんが亡くなった後、ご家族は「もっと何かできたのではないか」といった後悔を持つことがあります。残されたご家族をケアマネジャーがお悔やみ訪問をした際に「よくがんばりましたね」といった言葉をかけてケアする。さらに亡くなられてから時間をあけて、ケアマネジャーやヘルパーが訪問してご家族からお話を聞くことも、グリーフケアにつながるのではないかということです。在宅療養に関わるスタッフによるケア会議などで、グリーフケアにつながる事例検討を行うなど、さまざまな立場の意見を出して情報共有できる場があれば、次につながるのではないかという提案もありました。

フランスで在宅療養に関わった方からフランスの事情を教えていただきました。日本と同様に、患者さんのつらさに寄り添ってサポートする体制があり、ボランティアも含めた地域の方たちが参加しているそうです。フランスでは患者さんのケアとご家族のグリーフケアを分けず、つらさに焦点を当てて一貫してサポートするということで、その考え方が勉強になりました。

グループワークの様子2の写真
グループワークの様子2

スタッフへのグリーフケアの必要性

患者さんが自宅に帰るための準備に時間がかかってしまい、ご自宅に帰られてから数日あるいは1週間ほどの短い間に亡くなった場合、在宅療養の支援スタッフにはもやもやした思いが残ることもあります。そうした思いを共有する場、スタッフのグリーフケアになる場が必要だという意見が出ました。

在宅療養のために十分に準備ができなかったとしても、ご自宅に帰った患者さんの思いを聞いて、その気持ちに寄り添って精一杯サポートしたという思いがある一方で、患者さんはどのように受けとめていらしたのか、最期の時間をどのように過ごされたのか、とても気になります。そうした割り切れない思いを抱えたまま、次の患者さんと向き合わざるを得ないのが現状です。スタッフのグリーフケアにもつながるように、さまざまな面で在宅療養チームのみなさんと話し合っていければよいと思います。

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掲載日:2016年8月15日
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