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気仙がんの在宅療養研修会 2016 岩手
【グループワーク発表】
<テーマ2>「最期のとき」と向き合う 住み慣れた地域で支えるためには

まとめ
相談できる場所・人の体制を整え、患者さんとご家族が不安を打ち明けられる関係をつくることが、在宅で療養をするときの安心につながる
患者さんの思いに寄り添い、サポートしていく
地域のさまざまな方の協力や支えが大切。お互いを支え合う学びの場をもつ事例も参考に
グループワークの様子1の写真
グループワークの様子1

患者さんとご家族の不安を聞ける関係づくり

在宅療養を支えるためには、患者さんとご家族がご自宅で生活するにあたって一番大変なことは何かを聞けるような関係づくりが必要だという意見が出ました。また不安なときにすぐに相談できる場所、人がいることが大事だろうということになりました。そうした点を含めた在宅療養を支える体制づくりが大事だと思います。

気仙地域では看護や介護者の不足、介護力の低下という課題があると思われます。こうしたことを考慮すると、在宅での生活が不安になったときに、「入院が必要なときに受け入れてもらえるところがある」という安心感も必要ではないかと思います。患者さんやご家族が不安に思っていることをキャッチできるようなスタッフと、不安を打ち明けてもらえるような関係づくりをすることが、在宅で療養生活を維持する安心感につながっていくのではないかと話し合いました。

患者さんがどう生きたいかをサポートする

気仙地域に限らないと思いますが、患者さんは独居の方が多いですし、被災地では仮設住宅にお住まいの方もいらっしゃいます。そうしたなかで自宅に帰ることに不安を抱えている患者さんについて、ご家族で過ごす時間を持っていただくことをサポートしたいという意見が出ました。大事なのは、ご本人がどう生きたいか、最期の時間をどのように過ごしたいと望んでいるのかであり、その思いをサポートしていく必要があるということで意見が一致しました。

グループワークの様子2の写真
グループワークの様子2

地域の介護力を高める

在宅療養を導入していくときには、経済的な問題も出てきます。核家族化が進み、子ども世代が都会に出ている現状では、患者さんのケアをご家族に一緒にやっていただきたくてもできないことがしばしばあります。そのような場合、地域の方の協力や支えが重要なのではないか。元気なお年寄りや若い世代の方たちに関わっていただき、地域力を高めることについて話し合いました。近年は小・中学校でも介護についての教育や実習などが行われるようになっています。そうした若い世代の関わりを強化していって、地域力を高めていくことも重要だと思います。

一関市の一部では町内会のような小さな地区単位で、独居や老老介護の方たちを地域で支援しようという取り組みを始めているそうです。地区長さんが先頭に立って勉強会をするなどして、地区でお互いを支え合う体制づくりを始めているということでした。このような事例も参考になると思います。

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掲載日:2016年8月1日
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