がんの在宅療養 地域におけるがん患者の緩和ケアと療養支援情報 普及と活用プロジェクト
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がんの在宅療養ガイド 研修会 沖縄 2016
【基調講演】

「おきなわ がんサポートハンドブック」について
樋口 美智子さん(那覇市立病院 がん相談支援センター)

講演の様子講演の様子

「おきなわ がんサポートハンドブック」作成の経緯

おきなわ がんサポートハンドブック外部リンク」 は試作版から始まり、現在2016年版の発行準備が進められています。先ほどのお話にもありましたように、「患者必携」は2007年の「がん対策推進基本計画」に基づいて、療養生活での不安や悩みへの対応、がん医療のことなど、患者さんやご家族の方に活用していただきたい情報を、患者さん、ご家族の視点でまとめたものです。

患者必携外部リンク」は「がんになったら手にとるガイド」「わたしの療養手帳」と、地域の療養情報の3部作です。2010年に地域の療養情報の沖縄版を作成したのが、ハンドブックの始まりです。

ハンドブックの概要

ハンドブックの目的は、がん患者さんとそのご家族に、地域で療養生活を送るために必要な情報を提供することによって、より質の高い生活を送ることができる環境を整備することです。すべてのがん患者さん(治癒した方は除く)と、そのご家族に配布しており、主に18歳から70歳の方を読者として想定しています。沖縄県、沖縄県がん診療連携協議会相談支援部会、琉球大学医学部附属病院がんセンターが編集を行い、2016年版は96ページ、2万部を発行する予定です。編集発行の予算は、沖縄県がん患者等支援事業に組み込まれています。

がんと診断された患者さんが活用できる相談窓口や、地域の支え合いの場の情報、経済的・社会的な支援制度などを、がんの治療過程のおおよその流れに沿って、3部構成でまとめています。患者さんの体験談も掲載しています。少し詳しく項目を見てみますと、がん専門医療機関の一覧や、セカンドオピニオンについて、在宅療養や緩和ケアのこと、医療費の負担を軽くする制度や、介護保険制度などのほかに、患者会や患者サロンの紹介もあります。さらに治療と仕事の両立のための、就労相談窓口を紹介しています。

配布先として、沖縄県から全医療機関とその他の関連団体・施設(患者会、患者支援団体、保健所、市町村役場、図書館、薬局など)にも配布されています。今日ご参加の方たちで、初めてご覧になった方はいないと思います。
ご家族のための がん患者さんとご家族をつなぐ在宅療養ガイド
おきなわ がんサポートハンドブック外部リンク


患者必携外部リンク
(国立がん研究センター がん情報サービス)

地域の療養情報 おきなわがんサポートハンドブックを活用する

いろいろな機会に、ハンドブックを患者さんやご家族にお渡しするようにしています。医療機関によっては、がん治療などに関連する資料をまとめて入れた袋に、一緒に入れてお渡ししています。拠点病院や専門病院などでは、診察室の机の上、待合室や医療情報コーナーなどに置き、気軽に手に取ってもらえるようにするとか、自由に持ち帰ることができるようにもしています。

ある医師からは、診察室の机の上でも、患者さんの側に置いておかないと、渡すのを忘れてしまう、渡す余裕がないというお話もありました。ハンドブックは当初、特に主治医から直接、患者さんにお渡ししましょうと周知活動を行ってきました。しかし、それでは患者さんの手元に届けにくいという状況を前に、最近は患者さんの目に触れるようにいろいろな場面、機会、方法でお渡ししています。

地域の情報を患者さんに届ける

いつ、患者さんにハンドブックを渡すのかは、さまざまです。患者さんに診断や治療法を説明するとき。入院時に基本情報を聞くとき。医師、看護師だけでなく、薬剤師や栄養士、相談員などが、患者さんが持っていないと気づいたとき。あるいは新聞で見た、メディアで見たということで、患者さんからほしいと言われたときなどです。「このハンドブックはお持ちですか」と声をかけていただいたり、患者さんによっては「今はいらない」とおっしゃる方もいますので、「こちらに置いてありますので」と、次のアクセスにつながるような言葉を添えていただいています。また、患者さんがほしい情報が載っていない場合もあるかもしれませんので、今後の改善のために、ご意見を寄せていただくこともお願いしています。

ハンドブックの効果と情報を届けるときの課題

このように配布してきて、ハンドブックは有益で、患者さんやご家族の不安軽減に一定の効果があることがわかりました。その一方で、患者さん全員に行き渡っていないという情報もありました。医療従事者からは、診断から終末期まで、治療過程に沿った内容のために、テーマが重く、患者さんの告知状況や、理解や受容の状況がわからなくて、渡すタイミングが難しい。あるいは、施設内で患者さんにハンドブックを届けるシステムができていない、などの声がありました。

こうした状況から、ハンドブックを使用しての情報提供や広報の研修を、これまで以上に行っていくことが課題として上がりました。また、支援者からの説明がなくても配布できるような内容、患者さんやご家族が自ら相談窓口へアクセスできるような、編集や構成の工夫を行うことが必要だということになりました。そのため、改訂作業では、患者委員の方からのご意見を取り入れるなどして、より読みやすく、受け入れられやすい表現や構成の見直しを行っています。がん患者さんとご家族をつなぐために、ぜひこのハンドブックを活用していただければと思います。

掲載日:2016年4月5日
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